うつ病当事者による運動のススメ
突然だが
うつ病改善の一案として僕は運動を薦めたい。
理由を以下に述べる。
運動によりHPA系(視床下部―下垂体―副腎)の変化が起きていると考えられており、ストレスと関係を持つHPA系は、うつ病患者では機能異常が見られる場合が多いが、運動はそれらを改善し、ストレスへの反応性を調整している。
また、運動をすると海馬の神経新生が促され、抗うつ効果があるVGFや、セロトニン等の神経伝達物質、またはBDNF(神経栄養因子)も分泌されることなどから、抗うつ効果が認められる。等々……
そんな理屈はどうでもいい(←そんなことを言ってはいけない)
僕は運動(筋トレ)が好きだ。
運動(筋トレ)があるから生きていけると言っても過言ではない。
何故かって?
理由は単純
「気持ちが良いから」
それ以外に理由は無い。
運動が好きだからと言って別に運動神経に恵まれた訳ではない。
中学では体育の成績で「2」より上をとったことは無いし(←5段階中の2)
高校では3年間通して「3」だった(←10段階中の3)
走るのも遅く(50m走で9秒)
バスケ・バレー・サッカーではチームの足を引っ張り、
武道では対戦相手によく張り倒されていた。
そんな
運動もといスポーツに対して軽いトラウマを抱く僕でも胸を張って言えることは
「運動をすると前向きな気持ちになれる」ということ。
「うつ病で出歩くのもキツイのに運動なんて無理だよ……」
その気持ち、凄くわかる。
これは僕の体験談だが
うつ症状が強いときは疲労感で身体が重く、頭も働かなかった。
だから食事・入浴・排泄以外ではベッドから動かない日もあった。
(食事は1日1回、排泄は部屋で済ませた時もあります)
僕以外でもうつ病でこれに近い状態の方も居るとは思う。
そのような状態で医師が薦めるような「15~20分の有酸素運動」なんて
行えるはずがない。
だから「運動」と言ってもハードルを高く設定せず最初は
「家のポストを見に行く」とか
「深夜にコンビニへ出かける」とか
そういった取り組み易いものから行っていき、
徐々に活動を増やして最終的に
「ウォーキング」でしたり
「ランニング」のような運動が出来るようになればそれで充分だと僕は思う。
僕は試行錯誤した結果、夜のウォーキングが当時の自分に合っていた。
その理由は3つあって
- 人通りが少ないので疲労を感じる場面も少なくて済むこと
- 周囲が暗い為、視覚情報が減り余計な考え事をしなくても良いこと
- ランニングに比べ運動量が少なく、その後の生活に支障が出づらいこと
上に挙げた理由から、神経質で心配性な僕でも運動を続けることが出来て、
生活習慣も少しずつ改善され気持ちも以前より前向きになった。
(以下 余談)
ちなみに現在の僕は
ダンベルやバーベルを扱う「レジスタンストレーニング」を行っており、
(↑これがいわゆる筋トレと呼ばれるものだろう)
それに伴って身体づくりに関する知識を学んでいる最中だが
トレーニング理論の根源は
それなりに喰って
それなりに動いて
たくさん寝る とのこと。
この「小難しいは全て省きました」と言わんばかりのシンプルさが良い。
急に自省となるが
おそらく僕はこれまで社会人として生きる上で、
物事を複雑に捉えすぎたのだと思う。
「肩の力を抜け」とか
「もっと気楽に生きろ」なんて言葉をかけられてきたが
その真意には
「世の中のあらゆる物事は君が思うほど複雑ではなくて、
もう少し思考を単純化した方が生き易いよ」
という意味を含んでいたのではないだろうか。
生きる上で重要なのは
「食事・睡眠・運動」
仕事なんてものは生きていく手段でしかない。
「人生は思っていたよりシンプルなのかもしれない」
筋トレを通じて僕はそう考えるようになって
沈んでいた気持ちが少し軽くなった。
僕の凝り固まった価値観を大きく変えてくれた。
だから僕は運動(筋トレ)が好きなんだ。